電子カルテ普及率は50%!メリットやデメリット、三原則についてみてみよう
現在、日本における電子カルテの普及率は50%程。
次世代医療基盤法や医療ビッグデータと世間で話題になる反面、電子カルテの普及率はさほど高くなく、この数字は課題であると言っていいでしょう。
今回は医療情報を扱う企業の1人として電子カルテについて厚生労働省のガイドライン等を参考に解説していきます。
厚生労働省「医療分野の情報化の推進について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
電子カルテの普及率は50%、最新の厚生労働省のデータを参考にしよう
厚生労働省のデータによると電子カルテの普及率は平成29年で
- 一般病院で46.7%
- 一般診療所で41.6%
となっており、ここ10年間でだいぶ伸びてきました。
2021年であることと次世代医療基盤法の施行もされたということもあり平成29年から多少普及率も伸びているとして約50%。
医療技術が次々と発展していく世の中に対してその基盤ともなりうる電子カルテの普及率がこの数字であるということは紛れもなく課題意識を持つべきでしょう。
電子カルテシステム等の普及状況の推移
厚生労働省の電子カルテ推進について。なぜ普及しないのか
現在、厚生労働省では電子カルテの推進を測っており、医療情報の標準化を目指しています。
フォーマットや形、検査結果の位置などが医療現場によって異なる状態で電子カルテを利用しても、その情報を組み合わせて医療イノベーションを起こすことは難しいでしょう。
そこで求められているのが
- 同じ条件で
- 質とセキュリティの高い
- 医療情報
とですね。これがまさに医療情報、電子カルテの最大の課題でしょう。
詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
電子カルテの三原則とは。厚生労働省のガイドライン
さて、電子カルテの三原則について厚生労働省のガイドラインを参考に解説すると
- 真正性の確保
- 見読性の確保
- 保存性の確保
の3つが三原則として挙げられ、それぞれ簡単に解説すると
- 真正性:誰かが変更したり削除したらその内容がわかるようにしなさい
- 見読性:必要なときに公開できるようにしなさい(訴訟時など)
- 保存性:復元可能な状態にしていなさい
と定義されています。
これらに関しては厚生労働省のガイドラインに明確に書かれています。参考にしてみてください。
※ちなみに三原則については「7 電子保存の要求事項について」に書かれています。
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版
電子カルテはなぜ普及しない?デメリットについて
普及しないことにも関係してくる電子カルテのデメリットとしては
- システム理解に時間がかかる
- 初期コストがかかる
- セキュリティ設備の充実が必要
- 災害時に利用できない
などが挙げられます。あとは当然導入に伴う追加作業量や導入の意思決定の様々な事務手続き等が「相当面倒くさい」と思われる先生もいらっしゃるでしょう。
これらを少しずつ、改善していくことが今後の求められます。
電子カルテのメリット
もちろん電子カルテを利用するメリットも非常に多くあります。
- 医療情報の管理が非常に楽
- 正確に管理すればセキュリティは紙媒体よりも高い
- 情報の共有ができる
- 地域医療連携の情報基盤となる
- 患者の待ち時間の削減
などが挙げられ、電子カルテによって日本の医療水準の向上が見込めます。
セキュリティ面での課題、個人情報保護法などで共有できる情報の幅が限られているのは事実ですが、これらの情報を適切に活用することによって、将来的に日本の医療水準は確実に向上するでしょう。
(もう既に、ヘルスケア・アクセス・アンド・クオリティー・インデックス(HAQインデックス)」の世界195か国ランキング(2016年版)によると日本は第11位。今回のコロナ騒動を見ても、医療水準は十分に世界の中でも高い国です。
ちょっと年代が異なりますが、このような論文もあり、日本の医療水準と世界の医療水準について知ることができます:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5528124/)