健康経営とは?【プロ】が解説
健康経営優良法人。
経済産業省が認定制度を作り、少しずつ普及し始めた概念ですが、未だによくわからない方が多いはず。
なぜやらなきゃいけないのか?といった内容の記事などは多くありますが、じゃぁ実際に何したらいいの?数値に現れるの?
といった声を多くいただくので、今回は健康経営優良法人認定サポート事業を行っており、尚且つ健康経営アドバイザーである私が徹底的に解説していきます。
実際にコンサルティングに入る時に利用する資料等を活用しながら解説していくので、可能であればこの記事を参考にしながら実際に健康経営を進めてみてください。
それでは見ていきましょう!
健康経営の本質とは
さて、大前提として健康経営の本質とは、
「企業の価値を向上させる」
ことにあります。つまり
「健康経営優良法人の認定の申請はどうすればいいの?」
「健康診断をとりあえずやればいいんでしょ?」といったことはもはや愚問。
わかりやすく全体像をまとめると
もちろん各企業によって、
- 目的
- 目標
- 手段
その他全てのことが変わるので参考程度にしかなりませんが、最も忘れてはならないのは「企業価値を向上させるために健康経営を行う」という意識を持つこと。
- 企業価値を向上させるためには従業員の生産性を上げる必要がある
- 従業員の生産性を上げるには健康管理をするう必要がある
- 企業価値を向上させるためには売り上げを伸ばす必要がある
- 売り上げを伸ばすためには無駄な人件費を削る必要がある
- 無駄な人件費を削るためには急病で休む従業員の数を減らす必要がある
といったようにひたすら全てのことがつながってきます。
ちょっとこの辺一緒に考えてよという方はご連絡ください。ディスカッションしましょう。
経済産業省のいう健康経営優良法人をわかりやすく解説
そしてやはり健康経営のわかりにくくなっている問題の1つに「経済産業省の行っている認定制度」が挙げられますね。
超わかりやすく説明すると、
- 健康経営をやるよと従業員や会社関係者に宣言する
- 協会けんぽに健康経営始めるよと登録する
- 半年間、目標を定めて効果測定を行いつつ健康経営を実施する
- 少なくとも半年後以降に協会けんぽに結果を申請
- 銀の認定を取得(東京のみ)
- 結果を元に経済産業省に申請
するのが主な流れ。
さぁ実際にやるぞ!となったら経済産業省さんの資料をダウンロードし、協会けんぽに宣言することが必要です。
▼健康経営優良法人について:経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
それぞれの目標、メリット
さて、健康経営優良法人の取得はあくまでも健康経営の目標ですので、ここで健康経営の本質に戻しましょう。
ここでは、
- 生産性の向上
- 組織力の強化
- リクルート面
の点についてわかりやすく解説していきます。
労働生産性の向上
さて、企業において最も重要なのが従業員一人ひとりの生産性の向上。
つまり、1時間あたりにその従業員が生み出す成果ですね。
これが高まれば素直に企業は得するはずです。
で、この労働生産性の向上を健康経営で狙うわけなのですが、伸ばす前に「そもそも今ある無駄をなくす」ことから始めましょう。
例えば
- 就業時間が無駄に長い従業員を減らす
- 何をしていいかわからない従業員をなくす(主体性がない従業員を教育する)
- 肩こりや腰痛などによる労働生産性の低下を防ぐ
- プレゼンティーズムを減らす(出社してるけどなんとなくだらけていて集中できない)
- 仕事内容の流れ、業務フローを見直す
ような施策を考えて実行していくのがいいでしょう。
具体的には
- 長時間労働者の原因を探り、解決策を考える
- 腰痛や肩こりをストレッチ指導会を行い、解消する
- 仕事中における生産性を下げているフローを確認する
- 席や机、明るさなどの環境を整える
といったところがまず思いつくでしょう。
1度紙などに労働生産性を下げているであろう課題をバーっと書き出して見るといいかもしれませんね。
ちなみにこの辺に関しては
- 部下まで目が届かない少し規模の大きい企業
- 実際に手を動かさない役職などの役割のついている人たちだけで考える(現場の意見が最も重要です)
などの傾向にある企業は慎重に課題を発掘する必要があります。
組織力の強化
もう1つ重要なのは健康経営を行いつつ従業員とのコミュニケーションを活性化させ、みんなで目標に向かうこと。
これに関して重要なことは
- 同じ目標を見る
- 一人一人がその目標を自分ごとに捉える
- チームとしての意識を持つ
こと。
さて、私は元日本一のアスリートの経験から様々なチームを見てきました。
単純に強いチームや国を背負うレベルのチームの特徴として
- それぞれが目的を持ち、主体性がある
- 誰かが苦しんでいたら、確実に手助けする
- 上下関係はあろうとも、一度同じフィールドに立てば「仲間」として見る
- コーチも一緒にトレーニングする
といったことが確実に挙げられます。
あなたの会社を日本一のチームにしたいのであれば、まず必要なのが「経営者」や「役員クラス」が率先して働きかけること。
口先だけでは人は動きません。
日本一のチームビルディングを一緒に目指しましょう。
やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ
−山本五十六
あなたのリーダーシップ力が社会、会社を変えるときです。
リクルート、採用
さて、忘れてはならないのが「そもそも生産性の高い人材を獲得する」ことですね。
現代はインターネットが普及し、リクルート面においても大変複雑化しております。
ただその反面、的確なターゲティングを行い、確実に企業の想いを届け、優良企業であることを求職者に向けて証明しやすくなってきたと言えます。
弊社ではインターンなどを積極的に採用しておりますが、現代の大学生は「検索力」が高く、常に周りの企業と比較します。
商品やサービスのブランディングのみならず、企業の働き方ブランディングが重要な時代になってきました。
余談ですが、弊社では私の指導の元、トレーニング器具を充実させており、毎日のように筋トレを行っています。
引きこもりオタク系エンジニアたちが今ではすっかり「夏に海で脱げるかっこいい身体を目指すぞ!」と毎日楽しそうに、そして真剣にトレーニングをしています。
こんな企業あるのかよというくらい、ライバルエンジニア達とベンチプレスの重量で競い、文字通り身体で信頼を築き上げる。これは一例ですが、これが我々のブランディング。
人間力・身体・ビジネススキルが圧倒的に磨ける企業、Arteryexです。よろしく。
スケジュール
さて、健康経営優良法人の認定を考慮した上でスケジュールを組むことができればもうあとは実行するだけ。
ここに関しては各企業全く異なるので、参考画像のように会社のイベントや繁忙期などと照らし合わせて各社スケジュールを組むようにしましょう。
健康経営優良法人の申請時の必須項目
ひとまず健康経営優良法人認定を受けるために必要な、確実にやらなければならないことをシェアしておきます。
- 経営理念を元に健康経営宣言を行う
- 健康経営を行う組織を整える
- 健康経営の目標を策定する
- 要請があった場合、検診データを提供する(協会けんぽに)
- 定期健康診断を行っている
- 50人以上の事業所におけるストレスチェック
- 法令違反を犯していない
健康経営優良法人の認定はいらない
究極論ですが、健康経営優良法人の認定など必要ありません。
これはこの制度自体を否定しているわけではなく、資格の認定を最大視しすぎて本来の目的を忘れないようにしましょうということです。
もう一度おさらいしておくと、健康経営の目的は
「企業価値を向上させる」
こと。そのために必要なのは従業員の健康。
従業員のことを第一に考えられない企業がある中で、一緒に働く仲間、チームの強みを活かす経営をしていきましょう!
必要であればいつでもサポートさせていただくので、お気軽にご相談ください。
近くにいらした際は、事務所から聞こえる「トレーニング中の喚き声」をお楽しみに!