バイオ医薬品?バイオシミラー?核酸医薬品?…様々な用語があって紛らわしいなあと感じているあなたのために、今回はバイオ医薬品に関する様々な用語と関係性をまとめました。是非参考にしてみてください。
バイオ医薬品・先行バイオ医薬品・バイオシミラーとは?
バイオ医薬品
定義:化学合成された低分子医薬品に対して、バイオテクノロジー所謂遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて、成長ホルモンやインスリン、抗体といったタンパク質由来や生物由来の物質により生産される高分子医薬品です。
分類:詳しく分けると、タンパク質医薬品、核酸医薬品、遺伝子治療・細胞治療、再生医療この四つの分野に分類されています。具体的に薬物を言うと、以下となります。
・タンパク質医薬品
糖尿病治療用のインスリン、ウイルス感染症やがん、免疫疾患の治療に使用されるインターフェロンなど。
・核酸医薬品
新型コロナを予防するCOVID-19ワクチンなど。
・遺伝子治療・細胞治療
がん治療に用いるCAR-T細胞治療薬など。
・再生医療
様々な細胞へと分化できるiPS細胞など。
先行バイオ医薬品
定義:国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品です。即ち、バイオテクノロジーを用いて作られる新薬です。
バイオシミラー
定義:バイオ後続品とも呼ばれています。国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、異なる製造販売業者により開発される医薬品です。一般的に注射剤の剤形として提供されています。
※バイオ医薬品の定義をより分かりやすく理解してもらうために、低分子医薬品と高分子医薬品も以下で軽くまとめてみました。
・低分子医薬品:分子量が比較的小さく、化学合成された私たちの日常生活でよく使われている薬であり、一般的に錠剤やカプセルなどの剤形で提供されています。
・高分子医薬品:分子量が比較的大きく、一般的にはバイオ医薬品に含まれます。
・高分子医薬品は通常、従来の低分子医薬品とは異なる製造技術やプロセスを必要として、生物学的な複雑さがあります。このため、高分子医薬品の開発・製造費用は低分子医薬品より高い傾向にあります。
バイオ医薬品・先行バイオ医薬品・バイオシミラーの関係性は?
バイオ医薬品・先行バイオ医薬品・バイオシミラーの関係性はイメージとして、以下の図となります。
バイオシミラーは先行バイオ医薬品の特許期間・再審査期間満了後に、異なるメーカーから販売される、先行バイオ医薬品と同等/同質の製品です。
即ち、バイオ医薬品だけでなく、先行バイオ医薬品とバイオシミラーもタンパク質医薬品と核酸医薬品と遺伝子治療・細胞治療と再生医療この四種類を含みます。
まとめ
このバイオ医薬品・先行バイオ医薬品・バイオシミラーの関係性により、バイオ医薬品市場がより競争的になり、患者にとってアクセスしやすくなることが期待されています。
記事を作成する際に参考したサイトは以下となります。
・【基礎からわかるバイオ医薬品】バイオ医薬品の種類と特徴 | アイアール技術者教育研究所 | 製造業エンジニア・研究開発者のための研修/教育ソリューション (engineer-education.com)
・Microsoft PowerPoint – 01_【第1部】バイオ医薬品とバイオシミラーの基礎知識(mhlw.go.jp)
・whats_bio_pro.pdf (rad-ar.or.jp)
・011_09_00.pdf (meti.go.jp)
・研究概要 | 杉山・Badr研究室 (u-tokyo.ac.jp)
・医療関係者向けリーフレット_0130 (mhlw.go.jp)